部材が情報を持つ意味とは

前回はBIM(ビム)という言葉を作る意味について簡単に考え、その中にある「情報」という言葉について考えてみました。

建物を構成している3Dの要素が、それぞれ細かい情報を持っている。

これがBIM(ビム)の大きな特徴であり、今までの2DCADとは決定的に違う部分でもあります。

ただ、情報を持っていると言っても、それがCAD特有の情報であればあまり大きな意味はありません。

例えば二次元CADとして有名なオートキャド(AutoCAD)でも、作図した図形には様々な情報が盛り込まれています。

では、二次元CADが持っている情報と、前回書いたBIM(ビム)の概念が持っている「情報」とは何が違うのか。

今回はこのあたりについて考えてみたいと思います。


■CADとして必要な情報とは

まずはオートキャド(AutoCAD)などの二次元CADが持っている「情報」というのは何かについて考えてみます。

二次元CADが持っている情報は、基本的に「CADとして必要な情報」という事になります。

CADとして作図をする為に必要な情報、CADが持っている機能を処理する為に持っている情報、という意味です。

例えば、建物の図面として壁の線を作図した際に、線の色を緑にしておくとか、レイヤー名を「壁」にしておくとか。

作図した要素を今のCAD画面で表示するかどうかとか、表示の順番はどうするのかとか。

そういう情報はCAD特有のものというか、図面として整理をする為に必要な情報と言うことになりますよね。

それらの情報があったらダメとかそういう話ではなく、建物としてはあまり深い意味を持っていない、という事です。

そうした情報を持っているのは、CADとしてある程度当たり前の話であって、それをBIM(ビム)とは呼びません。

と言うことは、逆にどんな情報を持っている状態を指して「BIM(ビム)」と呼ぶのか。

そんな疑問が浮かんできますよね。

■BIM(ビム)として必要な情報とは

2Dであっても3Dであっても、CADの操作的に必要な情報を持っていても、それをBIM(ビム)とは呼ばない。

ということであれば、ではどんな情報を持っていることがBIM(ビム)と呼べるのでしょうか。

これは非常に大事な話ですよね。

このあたりの話が、3DCADであるRevit(レビット)とBIM(ビム)の最も重要な部分ではないか。

私はそんな考えを持って、今この文章を書いています。

3DCADが持っている情報で「BIM(ビム)」と呼べるのは、その建物を構成する為に必要な部材の情報です。

例えば鉄骨造の建物であれば……

・鉄骨柱の細かい寸法

・どんな材料で造られているのか

・製造した工場はどこか

・何かあった時にはどの会社に連絡をすれば良いのか

などの情報を持ちつつ、3Dの柱として平面+高さ情報を持っている、という具合になります。

鉄骨がどんな材料で造られているか、と聞いて「当然鉄じゃないのか」と思われる方もいるかも知れませんが……

同じ鉄であっても色々と細かい区分があるので、その情報を鉄骨の部材がそれぞれ持っている、ということです。

意匠(仕上)であれば部屋と部屋の間に壁を配置したとして、その壁には以下のような情報が入れ込んであります。

・壁(石膏ボード)の仕様や性能

・表面仕上材が壁紙であれば、その品番や製造元の会社名・連絡先

・表面仕上材が塗装であれば、色番号や塗料メーカーの連絡先など

例えば電気設備であれば、当然照明などが実際の見た目で配置されることになって、その中には以下のような情報を持っています。

・照明器具の品番

・故障した場合の連絡先

・電球を交換した時期

BIM(ビム)として入れ込む情報は色々あって、それはRevit(レビット)上である程度自由に設定することが出来ます。

3DでモデリングしただけではBIM(ビム)ではなく、情報をもってはじめてBIM(ビム)と呼ばれる。

これは非常に重要なポイントですが、BIM(ビム)という言葉の中に「情報」が入っている意味は何となく伝わったでしょうか。

 

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