2DCADは不整合との戦い

オートキャド(AutoCAD)をはじめとする2DCADは、線と円と文字などで図面が構成されます。

シンプルで作図が速いという特徴がある反面、平面図で作図された壁と断面図で作図された壁が、それぞれ独立しているという特徴を持っています。

それがどういう事になるかというと、変更が多くなってくると平面図と断面図が食い違ってくる、という状態になります。

それを防ぐ為にはどういう事をすれば良いのか、実務ではどんな作業をしているのか。

私はRevit(レビット)を使う傍らで、今でもオートキャド(AutoCAD)を使って図面を修正したりします。

そうすると、Revit(レビット)とオートキャド(AutoCAD)の違いをイヤでも体験することになります。

今回はその経験の中から、オートキャド(AutoCAD)の場合にどういう手順で図面修正を行うかについて書いてみます。


■2DCADでの変更

建築関連の業務に携わっている方であればよく分かると思いますが、建築の図面は変更がたくさんあります。

仕事ですから「変更なんて無理」とか言える訳もなく、要望には基本的に応えていくというスタンスです。

なので、1度作成した図面を何度も修正していく、というのが一般的な業務となる訳です。

そんな業務をオートキャド(AutoCAD)で行う場合、まずは平面図から修正を始めます。

建物を建てようとしている人や企業は、基本的に建築のプロではないので、あまりにも細かい図面はそれほど必要としていません。

もちろん大きな企業であれば、建築士などが所属する「施設部」などがあったりしますけど、それは標準ではないはずです。

あくまでも平面プランで壁の位置などと部屋の用途などを見て、建物が完成した後で運用していくことを意識します。

なのでまずは平面図の変更がほとんどで、図面の修正は平面図で壁を動かしたりという作業がメインとなります。

ただし図面は平面図だけではなく、断面図では縦方向に切断した図面を、展開図では壁を人間の視点で見る方向で表現します。

だから壁の位置が変更になった場合には、断面図の壁なども移動していく必要がありますが、そこはオートキャド(AutoCAD)。

断面図の壁と平面図の壁が連動している訳ではない、というのは前回説明した通りです。

平面図の壁を移動したら、それに関連する図面をピックアップしていき、それぞれの図面もあわせて修正していく。

2DCADの場合、そうした作業を人力で行う必要があります。

■整合をとることは可能だけど

もちろん、それで今まで仕事をしている訳ですから、そのやり方が全然ダメということはありません。

じっくりと見て修正をしていくことによって、高い整合性を保ったまま図面をまとめていくことは可能です。

ただ、そこまでする時間的な余裕がなかったり、コスト的にそこまで出来ない場合もやはりたくさんあります。

そうなると、じっくりと時間をかけて全ての図面に変更を反映させられず、整合の取れていない図面になっていく。

これがオートキャド(AutoCAD)などで図面をまとめる際に、陥りやすい状態ではないかと思います。

もちろん作図・修正をする人間の手+頭脳+時間をかけることによって、整合性を保つことは可能ではあります。

ただしそれはあくまでも個人の能力に頼ったやり方であって、CADとしての機能ではありません。

ここが大きな違いですよね。

だから、あまり高さ情報を意識していない人が作図をする場合、図面が不整合になっていく確率が高いんです。

いくら図面に時間をかけたとしても、です。

これが人力でまとめていくことの限界というか、個人の能力に頼ったやり方がもたらす結果なんです。

また、いくら経験と能力を兼ね備えた人であっても、時間的な余裕が全くない状況では、そのスキルをフルに発揮することは出来ません。

常に追い立てられている状態では、いつもやるべき仕事をひとつ残らず実行することなんて出来ませんから。

そうして図面の不整合が少しずつ膨らんでいって、最後はもう整合をとることが不可能な状態になってしまう。

まあ良くある話なんですけど、これは非常に困ったことで、2DCADは常にこの不整合と戦いながら仕事をすることになるんです。

これは一度でも建築系の図面を描いたことがある方なら、イヤと言うほどよく分かるんじゃないかと思います。

 

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