設計図の種類と整合性と

建物を1棟建てる為には、様々な業種でたくさんの図面が必要になる為、最終的な図面の枚数は膨大な数になります。

ただし、いくら膨大な枚数の図面とは言っても、それはただ1棟の建物のどこかを表現した図面なんです。

それがどの部分なのかとか、どんな目的の図面なのかなどは、図面によって様々だけれど、表現している建物は一緒。

だから、数多くあるそれらの図面全てが、食い違いのない情報を記載している必要がある訳です。

というような話を前回はしてきましたが、何となくでも良いのでイメージは掴めたでしょうか。

こうした「図面の整合性」を守るというのは、建築図面の最も基本的な話であり、図面に携わる方の大きな業務のひとつとなります。

これがまた、意外に難しいことでもあるんですけど……

建築系の図面を描くか、もしくはチェックをする仕事をしている方であれば、この難しさについてはよく知っているかと思います。

様々な種類の図面を、お互いに整合を取りながらまとめていくことが、どれだけ難しいことかを。

まあ難しい業務だからこそ、それを専門で作業するプロが必要とされる訳ですから、難しくて良いんですけどね。


■設計図にも色々あって

建物の基本的な情報については、まず設計図がベースとして扱われる、というのが大原則となります。

ここがまずは重要なポイント。

余程おかしい部分でない限りは、ベースとなる設計図と違う方針で進める訳にはいかないんです。

全ての図面のベースとなるべき設計図ですから、そこは出来る限り食い違いのない図面としておきたいところですよね。

そうしないと、その設計図を元にして作図していく図面が、食い違いの多い図面となってしまいます。

そうなると、実際の施工段階で非常に苦労することが目に見えていますから。

ということで、まずは設計図について考えてみますが、まずは設計図の種類にはどんなものがあるのかについて。

設計図は建物の基本方針を示す図面ですが、その中には意匠・構造・電気・設備などのジャンルがあります。

建築の設計図である意匠設計図、建物の骨組みを示す構造設計図、それぞれの設備に特化した電気・設備設計図など。

一般的には大きく分けて「意匠」「構造」「電気」「設備」の4種類に分類されることが多いです。

「設備」の中ではさらに「空調」や「衛生」などに分かれる場合もありますけど、大まかにはこの4種類になります。

これらのジャンルにはそれぞれの分野のプロがいます。

意匠設計者、構造設計者、電気設備設計者など、各分野のスペシャリストがそれぞれの項目を担当する訳です。

ですから当然、その分野ごとに設計図を作成していくことになって、調整を繰り返しながらまとめていきます。

色々な細かい手順はあると思いますが、基本的な設計図の作成はこんな感じになると思います。

■不整合となる理由

設計図をまとめる手順の中で問題になるのが、それぞれの分野の設計者が別々に設計図を作成していくという部分。

当然CADの時代ですから、意匠設計のデータを設備設計図に利用する等の連携は当たり前のようにやっています。

しかし細かい変更がたくさん出る中で、その情報を逐一別の担当者に発信していくことが難しい。

まあこれはCADの機能とか使い方というよりも、どれだけ連携して仕事をまとめていくかという話ですけど……

仮に情報を発信したとしても、CADデータを差し替える時間があるかどうか、という問題もあります。

ほんの少しの細かい変更をする度に、設備設計図に記載されている建築平面図を差し替えるかというと、そんな無駄なことはしませんから。

ある程度変更が溜まってきた段階で、一気に最新プランに差し替えるなどの処理をする場合が多いんじゃないかな。

そうした作業をする中で、差し替えがなかなか出来ないとか、差し替えたけど変更になった部分に気が付かないなどの状態になる。

それが積み重なっていくと、意匠図と設備で整合が取れていない図面になっていくことになる訳です。

まあここで設計図が不整合になる理由を、言い訳みたいに書いても仕方がないんですけど……

そういう状態になることが多い、ということだけは知っておいて頂きたいという思いから、こんなことを書いてみました。

 

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