パースとBIM(ビム)の関係

建物を建てる際に「このプロジェクトでは全面的にBIM(ビム)を導入します」と言われたら、どんなイメージを持つでしょうか。

今この文章を書いている段階では、私なら「3Dで設計をするのか……」というようなイメージを持ちます。

3Dで設計。

もちろんこのイメージが間違っている訳ではないですけど、それだけでは全然足りないものが多すぎる。

これもまた事実で、BIM(ビム)という言葉にはもっと様々な要素が入っているんです。

・3Dなのでイメージが掴みやすい

・建築、設備の取合いが整合しやすい

・各所納まりの問題点を抽出できる

・必要な部材の数量が出せる

・各種図面の整合が取りやすい

BIM(ビム)で設計をするメリットをザッと挙げていくと、大体こんな感じになると思います。

もちろん現状ではデメリットもそれなりに多い、というのは分かっていますけど、今回はメリットだけを取り上げます。

こうしたメリットの中で「3D」という要素が最初に出てくるのは、やっぱり分かりやすくて目立つからなのでしょう。


■BIM(ビム)=パース?

BIM(ビム)が持っているメリットについては、以前に割と詳しく書いたはずなのでここでは簡単に流しますが……

3次元で作成してイメージが掴みやすいというのは、デザインを検討する上で非常に強力な武器となります。

図面を見て建物をしっかりとイメージ出来るのは、やはり建築に関わる仕事をしている方だけでしょう。

実際にお金を支払って建物を建てる方、いわゆる「施主」の全てが建築のプロという訳ではありません。

細かい図面を何枚も見せられて「こんな建物です」と言われても、それが全て頭のなかでイメージ出来る訳ではないんですよね。

だからこそパッと見てすぐに理解できる、分かりやすいイメージがどうしても必要になってくるんです。

そこに3次元CADの存在価値がある訳ですね。

何度も使いまわしている画像ですが、こんな図面から……

 

平面図の一例

 

こういうイメージが出来上がる、という感じです。

 

パースの一例

 

レンダリングしたパース

 

視覚的に誰にでも分かりやすい状態になる為、BIM(ビム)というと3次元というイメージになる。

自然とそうした流れになるんじゃないかと思います。

 

■パース=BIM(ビム)なのか

イメージしやすいというのは非常に良いことですし、分かりやすいところから入っていくというのは大事なことです。

しかし……

ここできちんと書いておきたいのが、「3DCADでパースが作れる=BIM(ビム)」ではない、ということ。

例えば3DCADで建物をモデリングして、パースをどの角度からでも見ることが出来るようになったとします。

それはイメージしやすくて非常に素晴らしいことですが、それだけでBIM(ビム)とは言えないんです。

BIM(ビム)という言葉が出てくるよりも前から、設計をする際には、図面とは別にパースを作成してきました。

手描きでパースを作成する時代もあったし、レンダリングの性能が良くなってからはCADを使ったパースを作ってきた訳です。

目的はやはり、建物を建てはじめる前に、施主にどんな建物が出来上がるのかをイメージしてもらう為です。

建物が完成した後で「イメージと違うから直して欲しい」という種類の話を極力少なくする。

それがパースの大きな役割です。

それは今までもやってきたことですから、3DCADでパースを作っただけではBIM(ビム)の考え方を実現しているとは言えないんです。

では、BIM(ビム)をやるにはイメージにプラスして何が必要なのか、という話は次回にしたいと思います。

 

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