3DCADで作図した場合
2DCADとRevit(レビット)の違いということで、まずは2DCADで図面を作図した場合について前回は考えてみました。
X軸とY軸だけで構成された図面は、平面的に見れば特に問題なく機能しますが、斜め上から見ると……
という感じになっていて、全く高さ情報が与えられていない状態で作図していることが分かります。
でもこれが2DCADの標準的な作図であり、図面だけで考えればそれで充分に役割を果たすんです。
図面を描くという行為は仕事ですから、必要とされない作業をすることは無駄という考え方をします。
効率化は仕事をする上で非常に重要な概念です。
その考え方では、例え建物がペラペラの状態でも、図面としての役割を果たしていれば問題ない、ということになる訳です。
どうせ図面というのは紙に印刷をして使いますから、ペラペラであっても立体的であっても同じなんですよね。
■平面は基本的には同じ
2DCADで図面を描く際、高さ方向の情報を特に意識しないで作図をすることは確かにあります。
それでも図面としては問題ないんですけど、実際には高さを意識しないで作図するのは結構問題があります。
作図するのは楽ですけど、それがきちんと問題なく納まっているかを確認していない、という意味で。
2DCADは手軽だけど完全ではない、ということが言えるんじゃないかと思います。
しかし3DCADであるRevit(レビット)では、作図する要素に全て「高さ」という設定があります。
作図をする側も、常に高さについての情報を意識しながら建物を構成していくことになる訳です。
これが非常に疲れる要素ではあるんですけど、ここを否定したら3DCADを全否定することになりますから。
その結果として、どんな図面になるのかというと……
はい、ご覧の通り、オートキャド(AutoCAD)と平面的な見え方は全然変わりませんね。
でもこれは何もおかしい話ではなく、同じ建物を表現しているのだから、平面図が同じなのは当然なんです。
■Revit(レビット)ではどうなるか
ただしRevit(レビット)では、Z軸、つまり高さ情報を意識した作図が必要になってくる。
この部分が全然違ってきますから、その結果として、Revit(レビット)の3Dビューはこんな感じになります。
いかがでしょうか。
オートキャド(AutoCAD)で作図した際の3Dビューでは、全ての要素が高さを持っていませんでした。
でもRevit(レビット)では、全ての要素が高さ情報を持っていて、その情報をもとに構成されています。
だから3Dビューで見ても、きちんと建物の形状が認識出来るという訳です。
どちらが視覚的に分かりやすいかは、比べるまでもないですよね。
2DCADと3DCADという比較ですから、高さ情報の有無が違うのは当たり前のことですが……
まずはRevit(レビット)の特徴として、高さ情報を考えながら作図をする、という基本を覚えておきましょう。
そしてその分だけ手間と労力がかかる、という点もあわせて覚えておくと良いと思います。
これが全てのスタートになりますから。